静岡市長選の候補者へ公開質問状を出しました

静岡市市長選の立候補者3名に下記の公開質問状をお届けし、全員からご回答を頂きましたのでお知らせします。(回答到着順)

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静岡市市長選候補者○○ 様

日ごろ静岡市の図書館について深いご理解とご支援をいただき感謝申し上げます。
さて、私たち「静岡図書館友の会」は2008年に発足し、以来静岡市はもとより県内全域に於ける図書館行政の発展を願い支援活動をしている静岡市民を中心とした195名の会員を擁する団体です。会の活動内容については、先にお届けした資料をご確認いただければ幸いです。
静岡市の図書館は政令市の中でも利用者満足度の高いサービスを提供してくださっています。今後の図書館運営についても専門性と知的財産の継続が保障される直営の運営を是非継続していただきたいと思います。
当会は発足以来、静岡市長選、静岡県知事選の候補者の皆様に「公開質問状」をお願いし、ご丁寧で、ご誠実なご回答をいただいてまいりました。お忙しい中恐縮ですが、図書館行政についてのお考えをお示しいただきたく、質問状を提出致します。
ご回答は、当会ホームページ等に公開させていただきたいと思います。ご多忙の中大変恐縮ですが、3月25日までにメールでご回答くださいますようお願い申し上げます。
4月に行われます市長選でのご健闘を心からお祈り申し上げます。

2023年3月15日
静岡図書館友の会代表 田中文雄

今後の図書館行政について下記の点についてのお考えをお聞かせください。

  1. 「図書館は自治体の文化のバロメーター」と言われますが、静岡市の文化・教育行政に於ける図書館の位置づけをどのようにお考えですか。
  2. 図書館運営に必要な専門性と継続性、そして「市民のための図書館」に責任を持つため、教育委員会直営での運営を継続していただけますか?
  3. 図書館のレベルは「人」と「資料」で決まると言われています。昨今、全国的にも官制ワーキングプア問題がクローズアップされていますが、市の職員録などを見ますと、図書館における非正規職員の割合は7割以上と、他部署に比べ非常に多くなっております。
    図書館職員は現代社会に欠かせない情報を扱う専門職です。私たちは、そうした高度なサービスに必要な人材を確保するために正規職員を増やし非正規職員の待遇を改善することが重要と考えています。
    このことにつきましてどうお考えでしょうか。
  4. 項目3で述べたように、図書館のレベルは、「人」と「資料」で決まると言われています。
    静岡市立図書館の場合、全ての図書館の合計資料費が2007年には236,107千円ありましたが年ごとに減り続け、2021年には132,663千円となっています。新鮮で幅広い資料が継続して充分あることが利用者を増やし、市民の文化環境を底上げします。多様な情報と資料が必要とされる時代に、資料費についてどのように取り組んでいただけるか、お考えをお聞かせ下さい。

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山田誠氏・回答

  1. 図書館は、市民が集う場所であり、この街の歴史や文化を大切にするとともに子ども達に伝えていくことが出来る施設である。また、知識の泉として子ども達の健やかな成長に欠かせない施設である。
  2. 民営にした場合、どうしても収益のことを考えなければならなくなるので、公立の図書館として教育委員会の直営として継続します。
  3. 図書館を直営とする中で、運営に必要な人材確保については検討をいたします。
  4. 資料費については、中身を精査したうえで増額を考えていきます。また、学校図書館との資料の共有などについても検討していきたい。

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鈴木千佳氏・回答

  1. 図書館は、市民の読書の環境、知りたいや調べたいなどの要求を保障する大切な役割を担っていると思います。人は普段生きていく中で、商売や仕事、学生生活を送る中で、資料や情報は欠かせません。その意味で図書館は「生存権の文化的側面である学習権を保障する機関」ととらえています。静岡市においても市民のそうした学習権を保障することは、地方自治法で謳われている住民の福祉の増進と一致するものであり、図書館は大変重要な機関と考えています。
  2. 当然、そのように考えています。図書館運営は市民にとって必要な情報を公平に提供する場となっています。そうした図書館の運営は政治的にも中立でなければなりません。教育機関は過去の反省から政治と切り離し、独立した立場となっています。図書館運営が教育委員会の直営であることはそうした機関であることを保障することになると考えます。
  3. 同感です。図書館の書籍の内容や利用サービスなどを決めるのは図書館職員です。まさに、良質の書籍や市民のニーズに合った資料をそろえるのが職員であり、高度な専門的知識が求められます。そうした人材を確保するため、図書館職員は安定した収入が得られ、自ら学ぶ機会も作ることができる正規職員であるべきと考えます。また、原則すべて正規職員が望ましいと考えますが、そうした改善をしながら、現状の非正規職員の待遇は早急に改善する必要があると考えます。
  4. 新刊物などは冊数が少なく、待つこともあると聞いています。図書館の図書購入予算の減額がそうしたことの原因と考えます。基本的には予算は増やすべきと考えますが、今の市立図書館の資料全体の内容と数量について、図書館司書や利用している市民、また静岡図書館友の会のみなさんの意見などを直接聞きたいと思います。そのうえで必要な予算を確保し、市民の文化活動を支援する環境整備を行っていきたいと思います。

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難波喬司氏・回答

  1. 「公立図書館は、乳幼児から高齢者まで、住民すべての自己教育に資するとともに、住民が情報を入手し、芸術や文学を鑑賞し、地域文化の創造にかかわる場である。」(日本図書館協会)との考え方と同じ考えです。
  2.  教育委員会直営での運営が基本であると認識しています。
  3. 図書館職員が現代社会に欠かせない情報を扱う専門職であり、その人材の確保のための待遇改善は重要な問題であると認識しています。
  4. 多様な情報と資料が必要とされる時代に、新鮮で幅広い資料の充実のための資料費の確保はその基礎となる重要事項と認識しています。現時点においては、私自身が、その資料費が十分か否かについての十分な情報を有していないため、資料費についてどのように取り組んでいくべきかには、明確な回答を行える状況にありません。(軽々に答えることは不誠実と考えます。)その立場となった時には、しっかりと分析し対応したいと思います。

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