静岡県立図書館の新館建設についての要望書に対して、多くのグループからご賛同をいただきました。心より感謝申し上げます。また多くの方たちから要望書に対しましてご質問、お問合せをいただきました。ありがとうございます。同じような疑問をお持ちの方々へのお答えともなるよう、静岡図書館友の会の「要望3点」に対する考えをまとめました。以下に掲載しますのでご覧ください。
なお賛同をしていただけるグループがございましたら、8月25日までにご連絡ください。(少し延ばしました。ご了解ください)
要望書の3点の根拠として、事務局を担当する静岡図書館友の会は
このように考えています。
1.「県立図書館を東静岡駅南口「文化力の拠点」に全面移転する。 面積は1万8千㎡以上とし、機能の充実を図る」 について
今回の閲覧室の安全上の問題も生じているとおり、建物は築48年経過しています。静岡県より古い都道府県立図書館は6館しかありません。新館建設は建物の状態からも喫緊の課題であり、現在、既に建設候補地があり、計画が進められている東静岡駅近くの文化の拠点事業計画にのることで早急に対応が可能となります。
県内のどこからでも比較的来館しやすい場所であり、市町の図書館を支援する役割を持つ県立図書館の、市町立図書館への訪問や、県内図書館員への研修の開催など、アクセスがいいことが考えられます。
2館体制は現状では人件費も運営費も無駄が多く、職員も、資料も分散するので効率が悪くお金もかかります。
面積については、静岡の財政力や他県との比較、人口、面積に加え、50年後には200万冊を超えると予想されることから収容能力のゆとりも考えました。
今までなおざりにしていた静岡の文化醸成の基盤づくりに必要なコストと考えます。
2.「県民に対して直接責任を持つ教育委員会による直営体制の維持」 について
まず350万県民にとって、生活すべてに関わる県内図書館のネットワークの中心である県立図書館に対して、教育委員会が是非直接責任を持っていただきたいということです。教育委員会による直営とは具体的には現県立中央図書館が引き続き公的責任をもって運営するということです。
少子高齢化が進む中、学校教育と生涯学習の双方の充実が社会にとって大切です。教育委員会はこの2つに精通した専門性を持ち、双方を有機的に結び付けることができる組織です。(もちろん、私達県民は、教育委員会の考え、実践に絶えず関心を持っていなければいけませんが。)
具体的には県民への直接サービスに加え、「地方の時代」を担う情報発信の場でもある市町の図書館を資料、アドバイス、研修など多岐にわたって支える重要な役割を持っています。
現在の県立中央図書館は90年にわたる県立図書館としての豊富な蓄積があり、市町との長年にわたる信頼関係があります。この今まで培った図書館運営の豊富な知識、経験、実践のノウハウを新館運営に活かし、さらに進化発展させるのには、直営体制の維持しかありません。
3.「新たな規模と機能に見合った資料費増額と専門職員の増員」 について
文化県・読書県静岡として、私たちは、「今」だけでなく「未来」を見据えた県立図書館を考えています。
今後、ますます変化が激しくなるだろう社会において、私たちがものごとを判断する材料としたい豊富な情報と、読書の喜びと自由をしっかり保障する図書館が必要になってきます。
適正に増額された資料費とさらなる専門性を持った職員を得ることで、新たにつくられる図書館は静岡県民すべての「県立図書館」となることでしょう。未来の人たちへの先行投資と考えます。