2024年3月10日に、総会・講演会が無事に終わりました。お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。
角田光代氏講演「書くこと・読むこと・暮らすこと」のご報告
晴天の風さわやかな日。静岡マラソンの喧騒をよそに作家の角田光代氏の記念講演会が和やかに行われました。参加者は150名余。角田氏の奥深くユーモアをまじえた1時間半のトークに魅了されました。
角田氏は多岐に渡るジャンルの本を200冊以上出版し、直木賞の『対岸の彼女』をはじめ15冊を超える本が受賞しています。静岡新聞記者の西條朋子氏の絶妙なインタビューで角田氏の魅力をさまざまな観点から引き出していただきました。
「信じていないこと・御都合主義的なことは書かない」「違和感を持ったことが書くテーマ」と述べられ、映像化した作品は「全てお任せ。映画は自分の原作ということを忘れて鑑賞している」との言葉に角田氏の誠実で他者にやさしい文学への真摯な姿勢とおおらかなお人柄が伝わってきました。
『源氏物語』の現代語訳を受けた理由、『源氏物語』の魅力、関連本を読むことで得た新たな知見など穏やかな語りの中にも熱い想いを感じました。
気軽に楽しんでいるというマラソンやボクシング、愛猫のこと、「韓国映画は社会に目を背けないところが好き」という趣味のお話も楽しく、会場からの質問も多く、参加者と一体となったぬくもりのある余韻の残る会となりました。
(会報掲載予定です。)